①お迎え1週間後
■叱るのはまだ早いです。叱ることを始めるのは、ケージから出し、リビングで放し飼いにするほどしっかり信頼関係ができてからです。今の段階では早すぎます。今することは見守ってあげることです。まずは安全な環境であることを子犬に理解してもらうことが優先です。
■トイレトレーニングを始めます。
■夜泣きや要求鳴きをしても、対応せずに基本放置して下さい。心を鬼にして我慢してください。大丈夫です、子犬は夜一人で寝られます。どうしても心配な方は、サークルの横で寝てあげてください。しかし朝まではサークルから出さないでください。目安としては約1週間くらいで泣かなくなります。
■ふれあいはとても大切です。お遊びは、排泄後の5〜10分くらいから徐々に増やしていきます。この頃の経験がベースになります。周りに危ない物がないようにコンセントなどもチェックしてください。
■ご褒美は原則、いつものご飯の一部をおやつ代わりに使ってください。何回もご褒美をあげるため、全部をおやつにするとカロリーオーバーになってしまうためです。
■生後4か月位までは一日18〜20時間程寝て過ごします。しっかり睡眠時間を確保してあげてください。
■首輪の練習を始めます。子猫ちゃん用の首輪がおすすめですが、鈴は外してください。お洋服にも少しずつ慣らしてください。お留守番の時は脱がす方がいいです。
②お迎え2週間後
■そろそろお家の環境に十分慣れてくる頃です。
■まずは、ワクチン接種へ行きましょう。 子犬にとって1週間は人間の1カ月以上とも言われ、7倍程の時間感覚が流れています。ワクチン後2〜3日して体調が良ければ、ぜひ抱っこ散歩を始めてどんどん慣らしてあげてください。
■遊ぶ時は、頭の上で激しくおもちゃを動かさないなどの注意をしながら楽しい時間を過ごしてください。
■ブラシにも少しずつ慣らしてもらいたいので、遊び感覚でブラッシングしたり、爪のチェックもお願いします。
③お迎え3週間後
■シャンプーの練習を始めます。それまでは蒸しタオル・シャンプーシートを代用で大丈夫です。
まずは浴室などでおやつをあげて環境に慣らします。濡れた床、流れるシャワーの音、ドライヤーの音などを再現して怖がらせないように、焦らずゆっくり慣らしてあげるのがポイントです。
■ドライヤーに慣らすやり方として、初めにおやつを見せて視線をおやつに集中させます。そのおやつを左右上下に動かした後おやつを与えます。その流れでドライヤーのスイッチを入れて、またおやつをあげる方法がおすすめです。
④お迎え4週間以降
■いよいよシャンプーを始めましょう。
お湯の温度は36〜38度程で、体を強くゴシゴシせずに、泡で優しく洗うことを意識して下さい。ゴシゴシしなくても油汚れは取れます。100均などで販売されている人間のボディー用スポンジでたっぷりの泡を最初に作っておくと便利です。しっかりすすいで、しっかり乾燥させてください。
■5週間目にはいると、日常生活で好奇心がピークになり、9週目以降から12週目辺りまで恐怖心も混ざってきます。そのため普段の生活の中で、強い刺激は与えない経験させないよう注意してください。
⑤甘噛みについて
■甘噛みをする理由として「本能」「かまってほしい」「かゆい」の3点が考えられます。 その中でも、基本甘噛みをするのは大好きアピールです。多くの飼い主さんはワンちゃんが静かに遊んでいる時、用事を済ませたり、携帯を見てワンちゃんに無関心でいることが多いです。しかし、ワンちゃんは遊んでいる時も、ちらちらと飼い主さんを見ています。ですのでお時間がある時は、ぜひ飼い主さんが子犬を目で追ってあげてください。きっと目が合います。目が合うことで、ちゃんと愛されているんだと理解し、安心して甘噛みの回数は減ってきます。
⑥トイレトレーニング
■サークルの中で寝床とトイレを置くとトレーニングに失敗することが多いです。トイレ用のサークルを作り1度サークル内に入れて、排泄を促します。もしも出ない場合、一度寝床に戻して30分後再トライして下さい。繰り返すことで覚えます。
■可能であれば、足裏の感触でトイレを覚えるため、最初はメッシュを使わずにシートのみで練習して下さい。もしもいたずらするようでしたら、メッシュを使いましょう。
■排泄時間の目安としては、ワンちゃんの月齢+1時間が我慢の限界です。生後2か月であれば3時間、生後3か月であれば4時間です。
■お留守番の多い子犬は少しトレーニングに時間がかかるかもしれませんが、根気よく楽しく教えてあげてください。
■トイレが成功したら、おやつはサークルの中で素早くあげて褒めてあげて、そっとサークルから出してあげます。その後5〜10分お遊びタイムとします。そうして、お遊びタイムの時間を徐々に増やして下さい。
⑦ご飯について
■最近は色んなフードがありとても悩みます。気を付けてもらいたい点をお伝えします。添加物の多いフードを食べ続けると、食糞に繋がる場合があります。ブリーダーやショップ、獣医がすすめるフードは正直大人の事情があります。もちろん私は良質な物をおすすめしていますが、絶対にこれじゃないとダメと言うわけではありません。大事なことは、飼い主さんの目でしっかり見て判断いただきたいということです。
■もともと肉食動物のため穀物の消化が苦手で、穀物アレルギーや肥満の元になることもあります。ではなぜ穀物を入れるのか、それはかさ増しです。 では、グレインフリーがいいのか、それもまた違います。グレインフリーは、タンパク質の過剰摂取の心配や腎臓、肝臓への負担があります。 国産だから信用できるよね?これもそうとは限らないのです。
国産表示の定義は、最終加工された地域が原産国になります。ですので国産だから安心とは言えません。できれば1kg当たり1500円以上のフードで健康管理をされるのがおすすめです。
■添加物の一例をご紹介します。
BHA ガソリンの酸化防止剤:発がん性
BHT 石油の酸化防止剤:国によっては使用禁止
■4Dミート
チキンミールと記載されている中に潜んでいると言われています。
DEAD:死亡した動物の肉
DISEASED :病気だった動物の肉
DYING:死にかけだった動物の肉
DISABLED:障害があった動物の肉
■ペットフード安全法(愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律)が2009年に施行されました。施行後一度も罰則を受けた企業はありませんが、現状外国より日本は緩いと言われています。ですので飼い主さんの目が大切なのです。しっかり見極めてワンちゃんの健康を守ってあげてください。
■ご飯増量の目安は、個体差がありますが1週間ごとに少しづつ増やすのがおすすめです。生後6か月までは毎週増やし、生後6か月過ぎれば少し減らすのがいいでしょう。
⑧歯磨きについて
■歯磨きは毎日歯ブラシで行いましょう。まだ歯が生えそろっていない子犬は歯ブラシに慣れる練習を始めてください。歯磨きシートを使ってお膝に座らせてお口内を触る程度で最初は大丈夫です。
■歯磨きスタートを嫌がる場合、一か所洗う度におやつをあげてを繰り返し、まずは慣らしを優先にして下さい。
■お勧めの歯ブラシ
中型犬、大型犬:人間用の歯周病用の歯ブラシ
小型犬:「天使の羽20000」という犬猫用の歯ブラシ
なるべく柔らかいもので、フィラメント(毛)が多い方が少ない力でよく磨けます。 ゴシゴシ磨かず優しくしてあげて下さい。
⑨アイコンタクトの練習(このタイトル要確認)
■名前を呼んだら、おやつをあげるを繰り返します。そうすると名前を呼ばれたらいいことがあると覚えます。
⑩休日の過ごし方
■サークルから出してあげたい!という気持ちはとても分かります。しかし普段、飼い主さんがいないお留守番の時にサークルにいるため、「お留守番が嫌な時間」「サークルが嫌な場所」と勘違いしてしまいます。そうならないためにも休日にご家族がいる時間帯に、2〜3 時間ほどサークルにいる時間をあえて作ってください。
⑪ワクチンについて
■ワクチンへ行きます。まずは1回目、その後はまた1カ月後の合計2回をおすすめしますが、心配でしたら3回接種されても構いません。
ワクチンは7種がおすすめです。1回目と2回目は同じワクチンを接種してください。獣医師によっては3回ワクチン接種をおすすめされますので、その獣医師の判断に従われて大丈夫です。
■ノミ、ダニ、フィラリア、虫下しのオールインワンの薬もあります。
■地域によって飲ませる期間が違いますが、フィラリアのお薬を必ずもらって飲ませてください。
⑫避妊去勢手術について
■あくまでも私の視点からの意見として参考になさってください。全ては飼い主さんに決定権があります。
■避妊去勢手術は人間都合の部分もあると思います。獣医さんが必ず「避妊去勢手術をすると飼いやすくなるよ」「病気が防げるよ」と言われますが、大体の行動はトレーニングでカバーできます。手術をすることのデメリットをしっかり知ってからでも判断は遅くないと思います。
■整形外科の獣医は早期に手術は勧めません。骨の成長段階の大事な期間のパピー期に、ホルモンは筋肉と骨の成長に欠かせないからです。またホルモンバランスの崩れにより虚弱体質になってしまうワンちゃんもいます。また体重管理が難しい場合もあります。女の子場合、尿失禁の疾患が増加しているのも現状です。免疫性疾患の発生リスク、骨肉腫の可能性が上がるリスクもあります。
■必ずしなければいけないケースもあります。それは「停留睾丸」です。男の子のお玉が降りてこずお腹の中に停留してしまうことなのですが、この場合は手術が必要です。気休めになるかもしれませんが、毎日降りてくるまで、マッサージをぜひやってあげてください。
■手術で防げる主な疾患があります。
男の子:精巣腫瘍、前立腺腫瘍以外の前立腺疾患、肛門の腫瘍、会陰ヘルニア
女の子:乳腺腫瘍、子宮内膜症、子宮蓄膿症などの発生率を下げることができる。 (卵巣のみの摘出と子宮も摘出する先生もいます)
■論文に記載されている早期の避妊去勢手術による問題提起によると、関節のトラブル、骨の異常、骨肉腫、リンパ腫、血管肉腫、肥満細胞腫の危険性が挙げられています。
■避妊去勢手術で全ての病気が防げるように思えますが、そうではなくメリットとデメリットをしっかり把握してからご決断なさって下さい。
読んでいただきまして、ありがとうございました。
これからもサポートさせていただきますので、不慣れですがどうぞよろしくお願いいたします。